江戸時代の地誌『奥相志』によれば、以前は霊山(現在の伊達市)の鎮守で、南北朝時代の康永元年(1342)3月上旬、霊山城落城の時、桑折五郎元家が山王と熊野をこの地に勧請したとされます。元家は、南朝方で霊山城を一時拠点とした北畠顕家の一族で、従者とともに「宝財踊」の姿に変装しこの地に逃げ落ちたと伝えられています。
12年に1度、申年4月上旬に行われる大祭、県指定重要無形民俗文化財「日吉神社のお浜下りと手踊」のほか、境内には市指定天然記念物「日吉神社の大スギ」があり、同じく境内にある江垂観音堂には市指定有形文化財「木造聖観音菩薩立像」があります。推定樹齢650年の立派な大杉で、昔から漁船の渡航目標の目印木として利用され、今でも住民の信仰を集めています。
住所:南相馬市鹿島区江垂字中舘94